バーバラ・フレドリクソン博士の「拡張-形成理論」は、ポジティブな感情が思考と行動のレパートリーを広げることを示しています。ネガティブな感情が「逃げる・戦う・固まる」に思考を絞り込むのに対し、ポジティブな感情は新しい視点を試したり、異なるアプローチを取り入れたりする余裕を脳に与えるという考え方があるそうです。
脳の働きから言うと、
高圧的なフィードバックや常態的なストレスは、脳を「防衛モード」に固定します。コルチゾール(ストレスホルモン)の持続的な分泌は、海馬(記憶の形成を担う領域)の機能を抑制し、新しい知識やスキルの定着を妨げる可能性があるとのこと。
新しい習慣の形成は、脳の報酬系と密接に関わっています。ある行動がポジティブな結果をもたらすと学習すると、脳はドーパミンを分泌し、その行動を繰り返す動機を作ることも言われています。
外部からのポジティブなフィードバックは、この初期段階の「報酬不足」を補完する役割を果たす可能性が語られていました。
「ポジティブなフィードバックが、脳の情報処理効率を高める可能性がある」という結論です。
面白いのは、その脳の研究結果として、導き出された3つの視点です。
一つは、「感情状態は認知の条件である」という視点です。感情を排して合理的に考えることが最善とは限らず、ポジティブな感情状態が認知効率を支えている可能性がある。
二つ目は、「フィードバックの質が脳の状態を変える」という視点です。何を伝えるか、どう伝えるかが、相手の認知資源の配分に影響を与え得る。
三つ目は、「環境の設計がパフォーマンスを左右する」という視点です。心理的安全性やポジティブなフィードバック文化は、「優しさ」の問題ではなく、認知効率の問題として考えられる。
感情を排除してはいけないこと。脳から考えても、褒めると言う事が、脳の認知効率をよくすると語られていること。が、脳の研究からも明らかになったのは、学問としてコーチングをしているわけではなかった私達にとって、非常に心強い裏付けであり、続けていこうと思えました。
