CEOにはコーチかあ

解釈なく、転載しますので、ちゃんとどこのものなのかも、礼儀としてそのまま掲載します。

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 WEEKLY GLOBAL COACH Vol.692  2013年5月22日  配信数: 170,871件
 「CEOにコーチ」 伊藤守
 http://sv01.ezines.jp/url/ed1166514ae5cdb80b26d048b6cadba1313b4c2e
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 ■目次■

 1. Coach’s VIEW
   「CEOにコーチ」 伊藤守

 2.アンケートご協力のお願い ~決断について~

 3. インフォメーション

   ・5/29(水)「グローバルワークショップ2013」

   ・個人向けコーチング・プログラム説明会
    ~東京、新潟、大阪、福岡~

 4. 編集後記

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 ┃ 1.Coach’s VIEW 「CEOにコーチ」 伊藤守
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 ビル・ゲイツ氏が、TEDでの講演で、次のように話していました。

 「すべての人にコーチは必要です。
  私たちには、フィードバックをしてくれる人が必要なのです。
  私たちは、フィードバックを受けることで、向上するのです」と。(※1)

 グーグルの前CEO(現会長)であるエリック・シュミット氏は、
 CEO時代からコーチをつけていました。

 「あなたにはコーチが必要です、と言われたとき、
  私は思わずこう答えました。
  『どうして?私に、何か欠陥でもあるのですか?』と。
  すると、
  『いえ、そういうことではありません。すべての人にコーチは必要なのです』と。
  それで私はコーチをつけました。
  それは、グーグルの経営に役立ちました」(※2)

 GEのジャック・ウェルチ氏は、コーチを数名つけていたようです。

 Facebookのザッカーバーグ氏もコーチをつけていました。
 彼はコーチをつけたことによって、会社の中が分裂しそうになったときに
 社内の凝集性を高めることができました。(※3)

 なぜコーチをつけるのか?
 その目的について、多くの経営者たちは同じことを言っています。

 「別の視点を持つためだ」と。

 つまり、「自分の後ろ姿は見えない」 からだと。

 あなたの後ろ姿はあなたには見えないのだから、
 どういう風に見えているか聞いた方がいいですよ、
 ということなのです。

 「CEOが、会社の収益の 29.2% に影響を及ぼしている」

 という、10年間に渡り、51社の企業と92名の CEO を調査した
 Alison Mackey 氏による研究データは、その重要性を裏付けています。(※4)

 言うまでもなく、経営者の思っていることは、組織に大きな影響を及ぼします。

 そもそも経営者が会社を「生き物」として捉えているか、
 「機械」として捉えているか、で組織は全く変わってきます。

 20世紀に発生した「組織」の概念とは、
 「組織」を「機械」とみなしたものでした。

 組織を機械、つまり軍隊の延長線上で捉えてきた証拠に、
 戦略、戦術、コミットメントなど、
 これらはすべて、ミリタリーマネジメントで使われる用語です。

 これらの概念は、いわゆる指示命令型のピラミッド組織を意味しますが、
 このような職場でよく見られるのは、次のような現象です。

  ・非人間的な関係性
  ・制限されたコミュニケーション
  ・不信感
  ・創造性の欠如  (※5)

 もはや機能していないと皆がうすうす感じてはいても、
 相変わらずこれらが続けられていて、
 「一方が、一方に従わせる」という枠から
 なかなか抜け出せないのが多くの組織の現状のように思います。

 CEOがリーダーとして、
 どういった組織 「環境」の中に社員たちを置いているかということは、
 会社のクリエイティビティや自律性に大きな影響を及ぼしているのです。

 組織の中では、毎日、数えきれないほどの
 「コミュニケーション」「会話」「対話」が、生まれています。
 そして、それらの「コミュニケーション」「会話」「対話」こそが、
 組織を創り、会社の未来を形作っていきます。

 実際に、「コミュニケーション」「会話」「対話」に関する
 リサーチを実施し可視化することで、
 今、組織がどのような状態にあるかが露になることがあります。

 その会社が発表している「組織図」とはまた違う
 その組織の、実際の社内の人間関係、コミュニケーションの図
 というものがあるのです。

 経営者としては、事業部同士がもっと横の連携をもってほしい、と
 望んではいても、実際には、縦にしか連携は無く、
 マネージャー間のコミュニケーションも無く、
 上司と部下の関係においても、
 限定された範囲でしかコミュニケーションが交わされていない
 という現実。

 状況が安定しているときには、それでもうまく行くこともありますが、
 もし、変化が求められたり、状況が悪化した時などには
 このような企業の適応能力は低く、
 会社を危機に晒す可能性が高くなります。

 「社内におけるコミュニケーション」は軽んじられる傾向にありますが
 実は、会社の命運を左右する課題なのだと思います。

 だからこそ、コーチ・エィ では、
  「フィードバックのループ」を組織の中に作り上げることを提案しています。

 ダニエル・ヤンケロヴィッチという社会科学者は、
 リーダーの仕事を、次のように定義しました。(※6)

 「まるで山頂から指令を下すかのように
  ビジョンや戦略、プランを言い渡すのではなく、
  『社員たちの関係の網状組織を開発すること』 にある」と。

 リーダー1人をどうするか、
 リーダー1人が優秀かどうかだけではなく、
 社内における「人」と「人」との関係について
 リーダーがセンシティブであるかどうかが、
 企業にとって極めて重要であることがわかってきました。

 1対1でどれくらいの関係が築けるか。
  この能力が、現代のリーダーには、思いのほか重要になってきています。

 会社の「未来」は、その組織の「関係」の中で創られます。
 経営者1人、社長1人の頭の中で創られているわけではありません。
 経営者と社員、経営者とボードメンバー、会社とその顧客たちとの、
 複雑に絡み合った「関係」の中で、「未来」は創られていくのです。

 多くの経営者は未だに、人材至上主義で会社の経営を考えています。
 しかし、どんなにいい人材がいても、
 「関係」が築かれなければ、優秀な人材もその力を発揮することは
 できません。

 使われているマネジメント用語に始まり、
 経営者が、今組織の中で起こっていること、
 特に上司と部下、経営層、役員とマネージャー、
 社員間の関係がどうあるかについて可視化できなければ、
 経営は難しいものになるでしょう。

 また、お互いにフィードバックし合える文化を築かなければ、
 独善的な組織が出来上がってしまい、
 「コミュニケーションを交わし、組織を改善してゆく」
 という前提が崩れてしまうことになります。

 「フィードバックを受け、フィードバックを活かす能力」は、
 最初にCEOに求められる新しい能力であると思います。

 【参考文献】

  ※1 Bill Gates, TED Talks, “Teacher need real feedback”, May 2013
  ※2 Eric Schmidt, CNNMoney.com “Everyone Needs a Coach”
  ※3 Courrier Japon, “The Facebook Effect”, December 2010
  ※4 Alison Mackey, “The Effect of CEOs on Firm Performance”
  ※5 Lone Hersted and Kenneth J. Gergen, “Relational Leading”
  ※6 Daniel Yankelovich, “The Magic of Dialogue”
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以上
私も、ずっとコーチをつけていますが、本当に別の視点があることで、受け止め方が広がってきたなと
思います。
また、ある中小企業経営者がコーチを付けられていたので、聞いてみました。
すると、「スポーツの選手や監督やコーチにもコーチが付いているんだから、僕に居てもいいかなと。」
付けてみてどうでしたかと確認すると、
「ひとりよがりに成らずに済んでいるだろうし、何より部下にも家族にも言えない事を話せているよ」と。
この事については、私のクライアントである経営者の皆さんも仰っています。
やっぱり大切な視点なのかもしれませんね。

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