リーダーは「繋ぐ」役割

たまたまですが、最近、自分の使命というより、勝手にやってしまうことの一つが「繋ぐ」事だと感じて、繋ぐことをもう一度意識しながら楽しむようにもなりました。

今日も、ある子供達に◯◯さんを引き合わせる事で、これから違った世界が見られるのではないか。
そのためには、子供達を支えている人達にも◯◯さんに触れていただくことは大切なのではないか。
けど、その必要性をどれだけの人達が感じてくれているだろうか。どう実現させたら良いのだろうか。
などとグルグル考えていたら、あっという間に時間が経ってしまい、思考もちょっと行き詰まっていたので、休憩をしようと現実の仕事をしながら、更に休憩で読んだメルマガに目が止まった。

ビックリのタイミングでの「繋ぐ」というキーワード。

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┃ 1.「真のリーダーは、フォロワーを創らない」 伊藤守

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「真のリーダーは、フォロワーを創らない。
もっと多くのリーダーを創る」という言葉がありますが、
デューク大学ビジネススクールの学長Bill Boulding氏は、
「リーダーシップ」のあり方が変わりつつあることについて、
ワシントン・ポスト紙でのインタビューで次のように話しています。

「伝統的なリーダーシップ・モデルは、
『その部屋で、一番頭のいい人間を見つけること』、そして
『その人に、みんなに対して、何をすべきかを言ってもらうこと』
でした。

けれど、それはもはや、世界が求める
『イノベーションを生み出す類のリーダーシップ』
ではありません。

今日、成功するタイプのリーダーとは、
人々を集め、結びつけ、連携(コラボレーション)を通じて、
素晴らしいことを起こせる人、です。

そして、『連携(コラボレーション)』の鍵は、
『違う種類の人々や、違う考え方を集めて結びつける』能力が
あるかどうかにかかっています」と。(Cunningham, 2015)

オックスフォード・エコノミクスが実施した
グローバル人材調査では、タレント人材に必要な
トップ・スキルとして挙げられたのは、
「共同で創造する(co-create)」ことと「ブレインストーミング」の能力
でした。(Moore and Rybeck, 2015)

一方で、企業の職場の実態について、
スタンフォード大学ビジネススクールの Pfeffer 教授は、
新著『Leadership BS』(2015)の中で気になる調査結果を紹介しています。

・ライトマネジメント社が、2012年にカナダとアメリカで実施した
「仕事への満足度」調査では、「自分の仕事に満足している」と
回答したのは19%にすぎず、3分の2が「職場に満足していない」と答えた。

・マーサーが、世界中の3万人の会社員にサーベイを実施したところ、
28~56%の会社員が「会社を辞めたい」と考えていることがわかった。

・2012年のギャラップの調査報告書では、、
「会社に愛着心があり、刺激を受けている」というアメリカの会社員は、
たったの30%だった。

しかも、20%は、「積極的に関わらないように(actively disengaged)」しており、
「会社の廊下で自分の不満を触れ回り、会社をひそかに傷つけようとしている」
と回答していたという。

・さらに、ギャラップが142ヶ国で実施した調査では、
「会社に愛着心がある(engaged)」のは13%のみで、
24%は、「積極的に関わらないように」していた。

これらのデータを見る限り、
企業組織に人々が集まり、結びつき、連携し合うことが、
現実には、あまりうまくいっているわけではないことが伺えます。

世界中で起こっているさまざまな不祥事は、
エグゼクティブ同士の不仲が要因であることも少なくありません。

英エコノミスト誌は、Gillian Tett氏の新著『サイロ効果』の書評で、
「なぜ、組織は失敗するのか?」について次のように書いています。

「大抵の場合、会社は成長するにしたがい、元々その会社の成功をつくってきた
『イノベーティブな性質』を失ってしまうことが原因だ。

『個人』と同じように、『組織』も、『自分らしさ』に
『いきづまる(抜け出せなくなる)』ことがある」

「人間には、『カテゴライズ』したり、『細分化』したりする傾向がある。
それは、たしかに『効率性』を高める。しかし、皆、次のことを忘れがちだ。

自分たちが創り出した『区切り/境界』は、
『人工のもの(artificial)』であることを。

そして、それゆえに、それを「取り壊す」ことが、難しくなることもある」と。
(Economist, 2015)

つまり、自分(または、自分たち)が創り出した境界に閉じ込められるのです。

私たちは、欧米社会から個人主義的な思想を
引き継いできたところがありますが、

「私」という単位(ユニット)に強くこだわるがあまり、
人が、人と人との「間(あいだ)」に存在している、
という意識(認識)を失うと、どこかでうまく生きていくことが
難しくなるように思います。

ミシガン大学ビジネススクールが、21世紀のリーダーシップの前提として、
次のことを挙げていました。

「リーダーが、人々『に対して』何かをすること、ではなく、
むしろ、人々『の間で』働くこと」

そして、

「『リーダーシップ』の基本的な状態とは、私たちの誰もが、いつでも
リーダーであることを『選び』、リーダーとして『行動する』
ことができること」だと。(DeRue, et al., 2013)

そうならば、冒頭の言葉のように、
「自分のフォロワー」を増やすことは、
もはや組織にとって、価値のあるものとはいえないようです。

それよりも、1人でも多くのリーダーを創ること、
そして、それらのリーダーとの「共創」によって
イノベーションを起こしていくことなのかもしれません。

【参考文献】

Cunningham, L., 2015, How to make a good business leader, The Washington Post

DeRue, D.S. et al., 2013, Developing Adaptive Leaders for Turbulant Times:
The Michigan Model of Leadership, The European Business Review

Economist, 2015, Blighting the horizon, The Economist, Aug 29th 2015

Moore, A. and Rybeck, J., 2015, Coaching for the 21st Century, Korn Ferry

Pfeffer, J., 2015, Leadership BS: Fixing Workplaces and Careers One Truth at a Time, Jeffrey Pfeffer

ビックリしながらも、感動しました。

 

でも、リーダーとしての本質的な事が書かれているとしたら、いかにリーダーを創っていくのか、が、私の使命となるのだろうか。ウーン。

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