感謝を伝えたい

父が今日76歳の誕生日でした。まだイマイチ体調が回復しきらない私に、母が運転して、後部座席で座ったままの父が会いに来てくれました。父に「ありがとう」を伝えたいと思っていたのを父が感じてくれたのでしょうか。

本当に今日くらい、父に伝えたいと思っていたのに、身体が思うように動かず、旅行の疲れなども出てしまったのでしょうか、やっとお家で座るのがやっとでした。
けれども、父の誕生日だしなあ。そんな思いだけが頭をよぎっていました。けれども何だか会える気がしていたもの事実です。

その思いに身を任せていると、夕方近くなった時間でした。玄関先に見覚えのある車が・・・。
母の車でした。そして、後部座席には、父の影が見えていました。
嬉しくて、思わずリラックス着のまま外に出て行きました。

「お父さん、会える気がしていたよ。ありがとね。そして、お誕生日おめでとう!」
そう言うと、声が出しづらくなっている父が「ありがとう」と口をパクパクさせました。そして、ずっと口角をあげたまま、口を閉じていました。
母が「あら、今日、本当だ!お父さんの誕生日じゃない。忘れてた」と言っていましたが、気遣いの母だから、きっと私達が忘れているといけないから、その言葉を準備していたのでしょう。
母は更に「あらら。お父さんの目がうるうるしちゃって。嬉しいんだね」と嬉しそうに父の様子を見ていました。

「ああ、この二人の子供で良かった。」

これが、正直な感想でした。父と母が居たから私も居る。父が生きていてくれるから、今日もこの言葉を伝えられる。母が気遣いを自然に出来る人だから、直接顔を見て伝えることができた。こんなうれしい事はなかったです。

最近、めっきり体調が回復していたものの、その後無理をして全快しないまま、また体調を崩すという事が続いていました。
けれども、そうした事が起こるからこそ、痛みがあったり、熱を感じたりします。生きているだけで凄い事なんだなと、我が身を持って感じている今日この頃だったのです。

そんな時に父の誕生日。
6年前は余命3ヶ月と言われた父が、今元気で笑顔を見せてくれる喜び。父に「おめでとう」「いつもありがとね」と伝えられる嬉しさ。何にも変えがたい「命」について、父は今も教えてくれているのだと思います。

父には、「お誕生日、無事迎えてくれてありがとう!」と来年も、その次の歳も伝えられたらいいのにな。
一年でも、一日でも長く、父が元気な笑顔を見せてくれますように。

smile-communication
  • smile-communication

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です