鶴岡秀子さん講演録「夢の設計図の描き方」

今日は、自分が代表を務めているコーチ協会栃木チャプターで、鶴岡秀子さんの講演を主催しました。以前、話を聴いて感動し、コーチングに通ずるものも感じ、「東京でなく、栃木の人にも栃木の地で一緒に話を聴きたい」と思い、お願いをして来て頂いたものです。本当に気さくな「鶴ちゃん」の話は、みんなに元気をいっぱいくれました。その講演の要点を以下にまとめておきます。

鶴ちゃん(自分をそう仰います)は小さい頃から、親が経営の話を休みの日もしているのを見ていて、そんなに楽しいものなんだと思っていた。だから、自然と10歳から起業し経営者になると決めていた。

だから、人生ゲームだとか、お金が絡むような話も抵抗はなく、人を喜ばせる代償がお金なんだと思っていた。起業するにはお金を借りなければならないこと、人が携わる事もゲームなどを通して学んだり、父親にお金ってどうやって借りるの?なんて話をしていた。10歳らしからぬ子供でした。きっとその頃からずっと「天国体質」だったんだと思います。

そんな思いを胸に秘め、いつかは起業をと思って、就職をする時には、仕入れて売るというものの流れが単純に見えるであろうということ、お客様に接する技術はいつか役に立つだろうということで、アパレルの流通業に就職をしました。そこで人の20倍も売るような功績もあげてきました。

その後、経営の事も学ばなければと思い、経営企画の仕事に転職をしました。私はよりによって外資系のコンサル業社に面接に行ったのですが、外資系の頭の良い人が揃っているような企業では「英語は出来ますか」などと聴かれることはなく、英語は話せないけれど、転職に成功できちゃったんですよ。しかも、クライアントさんも早々たる企業の皆様ばかりで、賢いので皆さん日本語が話せるので、不自由なく仕事を経験することができました。踏み出してみれば何とかなるものですね。

そして、その後初の起業は、2000年4月15日にインターネットベンチャーの会社を立ち上げるわけですが、日本人の男性と中国人の男性、それから自分の3人で立ち上げをしました。そして従業員200名近く、利益2億、売上げ14億の会社に成長していくわけですが、今は楽天に売却をし、楽天リサーチというモニター数がダントツの企業になっております。

売却する頃には、私は既に「伝説のホテルを作りたい」という思いのもと、離れてしまっていたんですけれどね。

さて、こうして夢の話などをしていると、多くの皆さんにまず「夢をどう見つけるのか」と聴かれることが多かったんです。

よくよく聴いてみると、ほとんどの人が「~だからできない」と年齢や性別や何かを理由にできないといっている。

だから、まずは「限界をとりはらってみて!」=「もし、絶対うまくいくとしたら、本当は何をしたい?」

いつも今を過去の延長線上に置くから限界をつけちゃう。だから今からにフォーカスするんです。夢が先で、HOWは後。脳科学の苫米地さんもスコトーマ(盲点)という言葉を使っていらっしゃいますが、自分の前には誰でもバリアがあって、自分の欲しい情報だけを受け入れたり、その外にでようとしなかったりする。その外の世界はコンフォートゾーンといって、バリアの向こうで不安定な状態なわけです。人は安心したいからなかなかそこからでたがらない。その外をみるためには、「冷蔵庫のネタ」のように、レパートリーがあると良い。キャベツしか材料がなかったら調理法が限られる。けれども、そこにお肉ってあるんだよって足してみたら、レパートリーも増えるでしょ。だから、冷蔵庫のネタを増やすように、情報を仕入れるんです。

じゃ、どうやってと言うのは、人に沢山あって、人の話を聴いたり、見たりするわけです。

じゃ、どういうところにフォーカスをすればいいかだけれど、それは夢にフォーカスすればいいんですよ。ずっと先の夢にフォーカスしていれば、他人なんて関係ないでしょ。

ウサギと亀だって、ウサギは亀に勝つ事にフォーカスをしていたから寝ちゃった。でも、亀は山に登った自分の姿にフォーカスを当てていたから、ウサギと一緒に寝てしまうことなく、周りに左右されることなく進み続けたんだよね。この話って友達に聴いたんだけど、すごくない?すごいよね。フォーカスかあ、なるほどって思ったんですよね。

ここで抑えておきたいのが、目的と目標の違いです。

 目的は、どこまでいっても達成できない追及すべきことで、尽きる事がないから、ずっとずっと探求するんだよね。目標は数字に表せるような、いつかは到達できるものなんだよね。例えば、某製薬会社では、「もっと安心感を提供できること」という目的だったとすると、ずっと改良を続けずっと考え続けていくわけですよね。それが、もしも本来目標である「願の撲滅」を目的としてしまっていたら、きっと数年後には達成して終わっちゃうよ。だから、何のためにそうするのかっていう目的を大切にしてほしい。

とはいっても、数字も大切だよ。どっちも大切だけれど、ついつい目標にフォーカスしてしまいがちだから、あえてどちらも大切にしてほしいんですよね。(中略)

でも、みんな出来ないって思っちゃったりしないように、どんなマインドで居ればいいのか。そう思って、周りに居る成功者達をみてみると、ある共通点があることに気付いたんです。それが天国体質です。私も完全な天国体質なんですけれどね。

これをちょっと例をあげてみるとね、天国と地獄は同じ場所って話。どこが出典かと思ったら、どうやらマンガの「エースを狙え」らしい。そこには3メートルほどのテーブルと4メートルくらいのお箸がある。テーブルにあるものを食べようとするわけだけれど、「地獄」では、自分で取ったものを自分で食べようとするけれど、食べられないわけだ。でも、「天国」では自分の箸でつまんだものを相手に「お先にどうぞ」と相手の口に運んであげる。そうするとお返しにどうぞと相手の箸で、自分の口に運んでくれる。同じ環境なのにね。

結局ね、人ってエネルギー体だから、同じエネルギー体を引き寄せるんだよね。だからさ、ありがたいことをどれだけ探せるかってことじゃないかな。どれだけ感謝できるのかって。

例えば、門番の話もあってね。あるA村からB村へ移る人が居る。そこで門番に聴くの「次のB村はどんな村ですか?」と。そうすると門番が聴くわけ。「あなたが居たA村はどんな村でしたか?」って。「A村はこんなに素敵なところでした」と応えた人には「きっとB村もそんな村ですよ」と応えた。反対に「A村はひどいところだった」と応えた人には「残念ながらきっとB村もそんな村ですよ」と応えた。

良く聴いてれば分かるけれど、門番は同じようにしか応えてないわけ。でも、結局良く思える人はどこでも良く思えるって事なんだよね。これを会社に置き換えてみるとね、面接にラッキーだと思う人と、アンラッキーだと思う人が来たら、どちらを採用しますか。これは、ラッキーな人を採用したほうがいいですよ。

ラッキーな人は、結局「あの人が居てくれたから」とか「あのときにこうしてくれたから」とかって受け取れるわけだから、感謝できる心も持っているんだよね。そういう人というのは、セルフイメージも高い人だったんです。自分に自信のあるひと。つまり、自分を信じることが出来る人なんです。

じゃ、どう自分を信じられるようになるのか。毎日小さな約束事を作るんです。そうすると、今日も約束守れた。だから明日も約束守られるだろうって、自分をどんどん信じられるようになっていくんだよね。

マインドができたら、こんどはどう夢に一歩を踏み出すかだよね。

一言で言えば、自分軸をつくればいい。自分軸ってのは、自分の判断基準のこと。結局日本人は、周囲への配慮のはずが、どんどん周りの期待に応えるだけの軸になってしまっている。人に合わせてしまうようになると、いつのまにか自分がどうしたいのかさえ分からなくなってしまうんですよね。

「自分はどうしたいの?」という部分が大切。それは周囲にとって非常識であっても、未常識なだけで、これから常識になることかもしれないじゃん。無理だとあきらめるんじゃなくて、まずは自分がどうしたいのかに目を向けることが大切です。そのためには、どんどん反対の意見を持った人の話を聴いていこう。反対の人の話を納得しろというのではなくて、自分軸を見つけるために聴くんです。

そうしているうちに、この人はこうだけれど、私はこうだという自分の立ち位置や軸が見えてくるんですよ。

その上でどう一歩を踏み出すかね。まずは踏み出してみればいいじゃない。全てが見え切れているとしたら、それは今出来る事だよ。時間がかかるだけであって、コンフォートゾーンには突入しないよね。

例えば、旅行に行く時に全て青信号になったら出発しますって人は居ないでしょ。先が見えてなくても、道中で見つければいいから、まずは一歩踏み出すんですよ。

それとね、自分に「やってもいいよ」って許可を与える事の出来る人は成功します。これって自分一人でもいいけれど、「それだけの価値がある」と言ってくれる仲間が居たら、応援しあう仲間が居たら、許しあえる仲間がいたら、一歩は踏み出しやすいよね。一人では限界があるけれど、一人が回りを応援したら、無限になる。成功者は群れを成して飛ぶといわれるけれど、これは一歩踏み出したときから、であう人達と応援しあってきたんだよね。

じゃね、その夢の応援者を作るためにどう夢を語るかだよね。鶴野さんが分析をしてくれました。

  1. 未来の話をしている
  2. 思いついた原点を話している
  3. 原点から今日までの事を語っている

これが私の夢の語り方のようです。つまり思いついた原点から語れることがあるってことは、今日できることをやっている人、進捗する様子を見せている人に人は応援したくなるんですよ。だから、この3ステップを語れるように、まずは今日できることをしましょうよ。

(こうして10分のプレゼンを3ステップに沿って映像と音楽とともに見せてくださいました)※涙する人も多かったです。

ここに来てくれた人にも私の応援をして欲しいし、私もみんなの応援をしていきたい。

======以上=====

こうして長いようで短い講演は終わりました。間のたとえがいくつか割愛してありますが、分かりやすく心に響く言葉たちは、結局鶴ちゃんが実践者だからだったんだと思います。

昨年のこの記録は以前のブログにアップしました。けれども、今日改めて書いたブログはまた違う印象だろう。それはきっと今私自身も夢の実践者である持っているからだろうと思います。自分を信じられるようになったからだと思います。興奮冷めやらぬまま、つらつらと書いてみました。

自分だけでなく、コーチングでコーチとして、夢を応援することにも誇りがもてました。

学習メモ 日本コーチ協会栃木チャプター5周年記念行事講演会 2010年10月17日 13:30~15:30 パルティにて

smile-communication
  • smile-communication

2件のコメント

  • 隣の部屋の講演会は、こんな楽しい話をしていたんですね。
    こちらの部屋の研修でも、共通するキーワードがありました。

    まずは、「目的と目標の使い方について」、この場での共通理解をつくっていました。
    目標を上位に掲げ、目的を持って手段や具体策を実行すると云う意見がありました。
    私の使い方は、目的はゴールとして目指す的、そこに向かう途中の標となるのが目標で、現状から目標のギャップを埋めるのが行動や方法と云うものです。

    私はこどもたちとドリームマップをつくるとき、ワクワク・キラキラする夢を目的に持ち、その途中の目標を達成するための行動が今してることで、今この瞬間も楽しむことを伝えたいです。
    そして、自分も楽しく周りの人も嬉しくなるような夢を伝えることで、みんなが応援してくれることも伝えたいです。

    もうひとつが、価値観の違う意見を聞くことで、自分の考えや立場がはっきりしてくると云うもの。
    反論するためではなく、自分の考えの輪郭がはっきりするため、受け入れるものがあれば強化するため、ちゃんと価値観の違うものを認めようと云うのは、自分軸のつくりかたに似てますね。

    個人的には、互いに応援し合う存在の大切さ、ありがたさを最近感じるようになり、共感しています。

    まったく違う活動で隣にいましたが、内容は案外リンクしていたのかも・・・と勝手に解釈しています。

    小林さんが情報開示して下さったので、知ることができました。
    考える切っ掛けにもなりました。
    ありがとうございます。

  • わかさん

    朝、声をかけてくれて嬉しかったです。そして、同じようなところにたどり着くんだなとわかさんの話を聴いてみて思いました。

    長い長い講演録をしっかり読んでくださったんだなと伝わります。どんどんシェアできることはシェア(分かち合い)していきますので、共に多くの人達のいき方にも触れながら、自分自身も楽しくしていきましょう。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です